姫路革の伝統「白鞣し」

皮から革へ /「鞣し」とは

”皮”と”革”の違いはなんでしょう。答えは牛や馬などの動物の”皮”を処理加工したものが”革”になります。その処理加工の方法で布のように柔らかくしていく工程を”なめし”と呼んでいます。

「白鞣し」(しろなめし)は明治時代以前の姫路皮革の歴史や伝統を支える代表的な工法で武具や姫革細工などの工芸品に用いられていました。しかしながら、その生産工程に於いて、大量生産が難しく明治以降は欧米などの大量生産方式が導入され現在では植物タンニンなめしやクロムなめしなどが主流になっています。

白鞣しの製法

白鞣し(しろなめし)の工程は人の手を介して手間暇をかけて行われます。

塩漬けされた原料となる毛のついた皮を市川の水に一定期間浸し、表面に発生するバクテリアなどにより力で脱毛させ、塩と菜種油で人力にて揉み続けて、市川の河原で天日に晒し薄乳白色の革に仕上げていきます。

  1. 皮を数日間河川に浸す
  2. 刃物により毛をそぎおとす(脱毛する)
  3. 鉋(かんな)で肉面を梳(す)く
  4. 「ぬた取り」をする
  5. 塩入れ/踏み返し
  6. 天日乾燥する
  7. 足揉み(油揉み)/手揉み
  8. 塩出し
  9. 皮張り・皮のし〜仕上げ
塩漬けにした皮を数日間河川に浸す

毛のついた皮を脱毛するために市川の流れの良い浅瀬で一定期間浸します。「川づけ」と呼ばれています。川水に一定期間浸すことで表面に「ケジマ」というバクテリアが発生し抜けやすくなり、川の流れも手伝って抜けやすくなります。

刃物により毛をこそぎおとす(脱毛する)

「川づけ」の後抜けやすくなった皮の毛を川から引き上げ毛抜板と毛抜鎌と呼ばれる道具を使い削ぎ落としていきます。


毛抜鎌

毛抜板
鉋(かんな)で肉面を梳(す)く

「皮梳き」と言われています。いわゆる鉋(かんな)のような特殊包丁で皮の厚みを調整していきます。

ぬた取り」をする

脱毛の際に残った線毛などをぬた取り包丁と呼ばれる包丁で丁寧に剃りとります。

塩入れ/踏み返し

大きいタライのような容器に皮の裏側を上にして塩を入れて足で踏み込んでいきます。かなりの重労働で皮がトロトロの状態になるまで踏み込んでいきます。

天日乾燥する
目かご

先の工程で踏み返した皮を竹製の目かごへ入れて天びん棒で担ぎ石川原へ運び、天日乾燥させ水分を抜いていきます。

足揉み(油揉み)/手揉み

塩となたね油を加えて揉みほぐしていきます。足揉み(油揉み)で染み込んだ油がむらになっているのを日光に晒すことで和らげ再度もみほぐしていきます。

このもみ方はククリソという皮の細ひもで皮のぐるりに「杭目(くいめ)」といって一尺ぐらい毎に切り出しで穴をあけ、ククリソできんちゃくのようにククリ締めして揉みあげてます。


ククリソ

ククリソで巾着様にククリ締めてもむ
塩出し
ヘラの上で皮の伸ばし、や柔らかくする

皮に染み込んだ塩分を洗い落とすため水洗いします(川洗い)。乾燥させた後に揉みほぐしヘラがけをしてシワを伸ばして表面を整えていきます。

皮張り・皮のし〜仕上げ

芝草の平たんな野原で皮の端々を広げ小穴を開け紐を通して地面に悔いを打ち付け張り付けます。天日に晒し水分が抜け乾燥したら杭を抜き皮の表面を内側にして折りたたみます。

※参考資料
姫路白なめし革細工
『聴き取り』 (花田小学校著)