革ができるまで

「鞣し」(なめし)とは動物の「皮」を私たちの生活用途に使われれる靴や服、鞄といった製品をつくるために使いやすくするための素材としての「革」に変化させる加工のことをいいます。

そして、皮革製造に従事する人々は「タンナー(Tanner)」と呼ばれています。

原料の輸入から脱毛まで


原皮

牛皮、馬皮、羊皮、やぎ皮、豚皮など原料となる皮は原皮(げんぴ)といわれ、大部分はアメリカを中心とした世界各地から輸入されます。原皮は腐敗を防ぐため塩漬けされた状態で保管されます。

なめし工程に入る前に原皮に付着している血液や汚物などを取り除き、石灰に漬けて原皮を膨潤させてほぐし、毛・脂肪などを除去します。

こうして原皮から毛の抜き取った面(銀面)が皮の表面になります。

なめし


スプリッティングマシン

脱毛した皮を「クロムなめし」「タンニンなめし」といった方法でなめし処理を施していきます。

靴や鞄、衣類など用途に合わせて皮の厚みを分割機(スプリッティングマシン)という機械で調整します。このとき、銀面(表面)側と肉面(床皮)側の二つに分割されます。床皮は床革と言われる革のほかにコラーゲン製品としても利用されます。

厚みを調整された皮は大きなドラム式洗濯機のような機械に皮と薬剤を入れなめしていきます。ドラム式の容器が回転し皮に薬剤を浸透させていきます。この機械ですがその形状からタンナーの間では「タイコ(太鼓)」と呼ばれたりしています。

なめした牛や馬の革は水分を含むと重く、面積も大きいので後工程の染色や仕上げのために半分に分割します。背割りといわれる工程で皮の背筋にそって分割された革は水分を絞り表面を伸ばします。

そして用途に合わせた厚みが均一になるように専用の機械で革の肉面(裏面)を削り調整していきます。

この工程で処理された革はウェットブルーと呼ばれ塗装など必要な処理が施されていきます。

染色・加工


タイコを使ってウエットブルーを染色

なめし処理を施された革は着色されおらず厚みを調整された状態の革です。この状態の革で薬品を使ったクロムなめしでは「ウエットブルー」と呼ばれています。ここから表面の塗装・仕上げにかかる前に必要な処理を施していきます。

まず革に塗装の下地となる色をつけたり柔からさを調整するため再度「タイコ(太鼓)」と呼ばれる大きなドラム式洗濯機のような機械を使って染色・再なめし処理を施します。

再なめし後は最初のなめし処理と同様に水分を絞り革を伸ばします。そして専用の機械で革をほぐして柔らかくし最後に塗装・仕上げ処理を施しやすいように表面平らにして形を整え乾燥させます。

塗装・仕上げ


塗装機械

いよいよ塗装・仕上げの段階です。
ここからは革の種類や仕上げの種類により個々の処理も異なってきます。

塗装は1回でなく複数回行います。手塗りなどで下塗りを行いスプレー式の塗装機で着色するなどの作業を行います。

「ヌバック」と呼ばれる革の場合であれば塗装前に革の表面をペーパーで擦りとり、なめらかにします。

塗装後は艶を出すためにアイロンをかけていきます。また、ワニ型やペイズリー型といった模様をつけて型押しなどを行う場合もあります。

検査・発送


外観検査

最終工程です。仕上がった革を色や艶、柔らかさなどの他に引っ張ったり伸ばしたりなど負荷をかけた検査も行います。

検査を通過した革は計量され面積を測定します。革の面積のは「デシ(DS)」という単位で表され1デシは10cm×10cmとなっています。測定された面積が1枚の革の価格となります。計量後は荷造りして鞄、靴など各用途にあった加工先に発送されます。