みなさんは革のバッグを選ぶ時どのような所をチェックするでしょう。
素材の革の種類や色、デザイン、機能、重さ、丈夫さなどいろいろあるのですが裏地、つまり革のバッグの裏側はどうでしょうか。
今回は知っておきたい革のバッグの裏地についてお話したいと思います。
革の繊維くずなど気をつけたい裏地なしの革のバッグ
革のバッグには裏地のないものがあります。
裏地を使わず縫い付けなどの作業を省略。素材感がそのまま表現されシンプルであり、わずかに漂う革の香りなどが革とバッグを惹き立てます。
毛羽立った革の裏面「床」
バッグの内側、つまり革の裏側は床面(とこめん)と言われています。
革の製造工程で靴やバッグをつくるためにそれぞれに適した厚さに調整します。
この作業を革を漉く(すく)といいます。その裏面が床(とこ)です。
この床面ですが皮の削り面だけに表面は毛羽立っています。
そして、毛羽立ちをきれいに仕上げたものがベロアと呼ばれる仕上げの革になります。
この毛羽立ちを抑えるためにトコノールといった薬品を使って床面を磨き上げる処理が施されます。
付くと面倒な革の繊維くず
また製品としては床の質感や革の柔らかさを活かすためにそのまま使用するものもあります。
バッグなどの場合、ハンカチやタオルなどは革の繊維くずが付着しやすく、ノートPCや携帯電話など精密機械などは隙間に繊維くずが入り込んでしまうのでビニールやナイロンなどの袋に収納するようにしましょう。
毛羽立ちのある床面は汚してしまうとクリーニングなど難しいので注意が必要です。
裏地があっても気をつけたい湿気やカビ
普段使いするバッグでなく、大事に保管していた革のバッグでパーティや大事な商談など、ここぞという時に使おうと思ったらベタベタしたり、カビが発生していたり、変色したりして使えなくなっていたという場合があります。
革のバッグに限らず、裏地の素材に関しては縫製できるものならどのような素材でもOK。
合皮、ビニールはもちろん、毛のあるもこもこするファー、デニムなどあらゆるものが利用可能です。
いずれの素材も保存方法やメンテナンスなどには注意しましょう。
革に湿気は大敵。また裏地の素材が合成皮革やナイロンも湿気の影響を受けます。
革のバッグは外側のメンテナンスに集中しやすいですが大事にな荷物を収納する内側にも注意しましょう。
moeのバッグの裏地は伝統ある播州織
moeの革のバッグの裏地は一本の糸から染めて作り上げる伝統ある播州織。
好みの裏地を選択し、それをバッグに縫い付けます。革の繊維くずなどの心配もありません。
またスーツのように裏地のこだわれるのもおしゃれの一つですよね。
バッグ専用の裏地というものがなく、作り手側の好みによって選ぶことができます。
外観のデザインがよく、作りがしっかりしていても、実際に使うとなると収納性や使いやす重要となりますが裏地も大きな役割を持ちます。
こだわるのは色や柄だけではありません。厚みもそれぞれ異なっており、わずかな厚みの違いで仕上げたときの感触は同じバッグでも全くの別物。
バッグを制作する職人さんによると厚さだけでなく薄くてもコシのある生地とそうでないものもあり、手つきが良い・悪いという感触にも違いがあるとのことです。
播州織はいずれの色・柄・生地の厚みなど、それぞれが小ロット生産で在庫限りの生地が少なくありません。
気になりながらもノーリアクションだと気がつくと在庫切れ・・・とならないように注意しましょう。
気になったときが最大の好機。革だけでなく裏地にもこだわり、大切に使って欲しいと思います。