鞄作りの町、豊岡でPCバッグ開発先を探す
まずは商品となる肝心の革のPCバッグの開発を考えました。といっても革のバック作りはしたことがなく、まして商品として、しかもノートPC収納を考えた革のバッグです。
一から勉強しても長い年月が必要ですし、それを売り物するなんて大変ですよね。
こういうのはさすがに専門家に相談しながら・・・ということで思いついたのが「豊岡鞄」で有名な豊岡市の鞄業者でした。
兵庫県の北部にある豊岡市は歴史と伝統のある日本の鞄の生産地。姫路から車を使っても2時間弱で移動でき、しかも革の鞄づくりで姫路のタンナーともつながりがあるはずです。
2014年1月、さっそく豊岡の商工会議所に電話してみました。
すると鞄製造業者の組合のようなところを紹介され、そちらで組合に加入している業者などが掲載されたパンフレットようなものを送るのでそちらを利用して自分たちでコンタクトをとってほしいとのことした。
数日後、資料が郵送されて来ました。連絡先の他にホームページのURLも記載。PCバッグの開発なのでホームページURLが記載されてないところは除外しました
インターネットで鞄業者のホームページを調べていきました。全体として作ったままで放置状態のものが多いようで、自社でECショップを開設しているところありますが売れている雰囲気は感じられませんでした。
よく考えて見ると、これまで革のバッグを探していた時でも、検索にヒットしたことが無かったと思います。
本業はWEB制作者なので、もったいない感じがしました。そして、ものづくりをする中小企業のホームページが上手く活用されていないのは姫路のタンナー業界も同じように感じました。
インターネットでバッグの試作の相談ができるところを探していたのですが、依頼できる条件などをチェックしていて今更ながら大きな問題点に気づきました。それは弊社Storyboardと鞄製造業者のOEM契約になるということでした。
ロット単位でのバッグや革の仕入れや在庫管理の問題
OEMとは、発注元の名義やブランド名で製造元が受託して商品を製造して発注元が販売することです。
チェックしている鞄業者のホームページではそのような扱い・相談について説明があるのですが、商品化した場合は一回の発注で、一定数の個数の発注が義務付づけられるロット生産でした。
ロットの単位も少なくても1ロットにつき30個程度から対応可能といった企業がほとんどでした。つまり一つのバッグを開発して販売するにしても1回につき30個まとめて発注する必要があること。
仮に同じデザインのバッグでも色別で、それぞれ個別のロット扱いだと黒、茶、キャメル3色で90個の在庫を持つことになります。
1つのバッグの原価が2万円程度だとすると180万円です。
そのような体制はとても無理でした。在庫もそうですが材料となる革の調達を考えるとかなりの資金が必要となります。
1ロット10個でも色別商品を考えると厳しいと思いました。そんなことを考えながらも、PCバッグの開発を受けてくれそうなところを数社リストアップしてコンタクトしてみました。
結果、いずれの業者も手応えはありませんでした。ロット生産云々という以前に、いずれの業者もPCバッグの開発に関心がない感じでした。
産学連携で試作品のPCバッグ開発を考える
ここであきらめるわけにはいかず他の方法を考えました。とにかく革のPCバッグを作りたい。
OEMやロット数などはバッグができてから考えよう。良い革のPCバッグができれば資金や体制含めていろんな対応ができると考えました。
そんな折に新聞で大学や専門学校などと連携してアプリやシステムを開発している地方自治体や民間企業の記事を目にしました。
「これだ!」と思い鞄や靴をつくるデザイン、服飾系の大学や専門学校などを調べました。産学連携ということで話題性もある。そう思いました。
2014年1月末。いろんな人のツテを頼ってあるデザイン・ファッションを扱う学校を紹介していただき、地元の知り合いのタンナーさんにも同行していただき相談に伺いました。
訪問先では学校側のスタッフや専門の先生を交えた打ち合わせで色々な話がでました。
要件が単なる革のバッグではなくノートPCを扱う専用のバッグ開発ということで素材など革を含めた意見交換もできました。
目的を考えると鞄というよりは専門のプロダクト開発になるかもという話もありいろいろと認識が深まりました。
打ち合わせの感触では、引き受けてくれそうな感触で見積を作成していただけるということになりました。
当然予算が気になるので予想額をたずねたところバッグ1個につき約30〜40万円程度。「そんなにかかるのか!」と内心驚きました。
待てど暮らせど連絡は来ず・・・
その後、学校側からの見積りを待つことになりました。しばらくの間、本業のStoryboardのアプリやホームページ制作も忙しいので気長に待っておりましたが1ヶ月経っても連絡はありませんでした。
相談先の学校に電話したところ、前回の打ち合わせの後に人事の移動があったということで引き継がれてない様子でした。
改めて見積作成にかかりますということで連絡を待つことにしました。しかしながら、そこから更に1ヶ月が経過しましたが連絡はありませんでした。
こちらから再度連絡することも考えましたが、同行していただいたタンナーさんの意見もあり、諦めることにしました。
バッグの試作について最初から応じる気がなかったではと思いました。
諦めるというか、ダメだったことは仕方がないのですがこのような対応されたことに対しては非常に不快で悔しいと感じました。
こうなったら意地でも絶対に革のPCバッグをつくって販売してやると思いました。(続く・・・)