タンニンなめしとクロムなめし
動物の皮からバッグ、靴、服などに使われる革に加工する処理を鞣し(なめし)といいます。
その工程は20〜30にわたります。なめし工程に入る前に皮の脱毛処理を行い「タンニンなめし」「クロムなめし」といった方法でなめし処理を施していきます。
タンニンなめしとは植物から抽出したエキスをなめし剤として使い加工していく方法です。
その特徴は吸水性がありコシが強く風合いを持っています。ヌメ革などが有名ですが、なめしたての革は薄い土色や肌色といった褐色系の色をしています。
クロムなめしは金属なめしの一つでなめし剤に塩基性硫酸クロム塩を使用します。吸水性が少なく、柔軟性、伸縮性のほか耐熱性などの特徴があります。
製造コスト、加工のしやすさからクロムなめしのほうがシェアが高く、バッグや靴など多くの革製品に利用されています。
そのクロムなめしで処理したての革がウェットブルーと呼ばれています。
なめし処理を行う際、タイコと呼ばれる大きなドラム式洗濯機のような機械の中で容器を回転させながら皮となめし剤をかき混ぜていきます。
そしてタイコからなめし剤が浸透した革が取り出されます。
この時、なめし剤のクロムに染まった淡い青色の革がウェットブルーと呼ばれています。
この段階で表面の傷や皮の質をチェックしたり後の工程で作業しやすくするために半分に分割します。
ウェットブルーはまさに皮から革に生まれ変わった瞬間。革の子供のようなものです。
ここから色々と経験(工程)を積み重ね立派な大人へと成長していきます。