レザークラフト必須、革にケガキする銀ペンとは
銀ペンとはレザークラフトで使われる銀色のインクが出るボールペンです。
バッグ作りでは、革を裁断、縫製したりする際に印をつけたり、線を引くために使われます。
革で「銀」といえば銀面を連想するので、銀面に線を引く専用の道具ということで銀ペンという名前がついたと思ったのですがそうではないようです。
ネーミングの由来はわかりませんが、レザークラフトでは語呂が合っていい感じですね。
革を裁断するために銀ペンでケガキ
ケガキ(罫書き)とは、デザインや設計図に基づいて材料の表面に裁断したり穴を開けたりする線や印をつける作業です。
バッグや財布を作るレザークラフトでケガキで使われる線引き道具を銀ペンといい、レザークラフトショップで入手できます。
線や印、文字など手書きで革に描くことができ、失敗しても消すことができる便利な銀ペン。
レザークラフトでは重宝がられるアイテムです。
ヌメ革には鉄筆、クロムなめしには銀ペン?革によって使い分け
革に線を引いたり印を付けたりする銀ペンですが、革の種類によって向き、不向きがあります。
レザークラフトで人気のヌメ革は吸水しやすい革でインクが染み込み、消えない場合があります。
ヌメ革はナチュラル系で明るい色合いが多いので、銀ペンで太い線や印を付けるとインクの跡が目に付きやすくなります。
線や印など消すことができる銀ペンですが、消えにくい場合もあるので裁断では線の内側をカットするようにしましょう。
硬い革に鉄筆、柔らかい革に銀ペン
鉄筆は、鉛筆やペンのような形で先端が針のようになった道具です。
インクで革に線を引く銀ペンに対し、鉄筆は革に先端を押し付けて跡を残します。
銀ペンとは違い消すことはできませんが、硬い革に模様や刻印を刻むカービングでも使われます。
鉄筆は硬い革のヌメ革では跡が付きやすいのですが、柔らかいクロムなめしの革では跡がつきにくいので使い勝手はよくありません。
クロムなめしのような柔らかい革の場合には銀ペンを使ってケガキします。
クロムなめしの革はヌメ革より水に強く、色の濃い塗装の革も多いので一度引いた線跡も消しやすくなります。
このように、使う素材の革の特性に合わせた道具を使ってケガキをするようにしましょう。
消しゴムでも消える?銀ペンの線を消す銀ペンクリーナーとは
革に跡を付けていく鉄筆と異なり、銀ペンで引いた線や印は消すことができます。
ただし、ヌメ革のような吸水しやすいものはインクが染み込みやすく、消すことは難しくなります。
銀ペンで線や印を消すことを考えるならタンニンなめしのヌメ革でなく、クロムなめしの革を使います。
革によりますが、普通の消しゴムでも消える場合があります。
よく使われるのが靴の汚れ落としで、黒など色の濃い革なら十分です。
いずれの場合も、同じ色の革のハギレを用意して色落ちしないか確認しましょう。
銀ペンクリーナーの使い方
消しゴムや靴の汚れ落としで銀ペンの跡が消えればよいですが、微妙に跡が残ったり落ちが悪い場合もあり、明るい色の革だと目につく恐れもあります。
そのような場合に使うのが銀ペンクリーナーです。
使い方はウエス(機械類の油や汚れを拭き取る)のような布にクリーナーをほんの少し付けて、銀ペンを消したいところを軽くたたくようにして塗りつけます。
数秒ほど放置して布で擦ると銀ペンの跡はきれいに消えています。
銀ペンクリーナーは、革に付着した銀ペンを表面から浮かして消しやすくします。
塗装がしっかりしていない革の場合、色落ちてしまう恐れもあるので、事前にハギレなどを用意してテストしてから使うようにしましょう。