皮から革を生み出すプロフェッショナル。それがタンナー

みなさん「タンナー」という言葉を存じでしょうか。皮の鞣し(なめし)業者、英語で鞣すことを「tan」といい、その職人をタンナー(tanner)といいます。皮から革を生み出すプロフェッショナル。それがタンナーなのです。

皮と革の違い

革を柔らかくするとかいて「鞣」あたりまえのように「皮革」と呼ばれていますが「皮」と「革」の違いは何でしょう。「皮」は牛や馬など動物の毛のついたままの表皮であり「革」は鞣し処理を行い厚みや色などをバッグや服、靴など様々な用途に合った加工を施されたものを表します。

漢字からそれが読み取れます。「鞣」は革を柔らかくするという意味。「靴」(くつ)は革が化ける、そして「鞄」(かばん)は革で包むという意味。いずれも動物の皮を加工した革から成り立っています。

奥が深くて厳しいタンナーの世界

奥が深くて厳しいタンナーの世界

皮革製造といっても鞣し以外に染色や塗装・仕上げなど様々な工程があり、それぞれに専門の知識や経験が求められるため各工程のエキスパート同士の綿密な連携が求められます。

moeのコンテンツ「革ができるまで」で工場内の様子をご紹介しておりますが冬は寒く、夏場は熱風や蒸気に満ちた高温の作業場で独特の匂いが立ち込める過酷な環境。大半が手作業で畳一畳よりも大きい革は水分を含むとかなりの重量でありそれを一日で何百枚と取り扱う重労働。薬品や塗料・油などすぐに汚れてボロボロになるため作業着も着古したものを使う職人も少なくありません。

また、皮は天然素材のため一枚ごとに品質が異なるのが特長。気温や湿度によってきめ細やかな調整が必要となりますがそれを行うには機械でなく職人の知識と経験に基づいた技術が必要となります。

そのような職人たちによって作られらた革。一枚一枚に職人たちの誇りと思いが込められているのです。

moeのタンナー

moeのバッグに使う革の品質を見定めるタンナー

moeのタンナーは皮革製造にたずさわること約50年。バッグに使う革素材を調達しプロフェッショナルとして革の品質を見極めています。

タンナーは革を見るだけでなく手に触れ感触や厚みを感じながらその本質を見極める。ある時、家で革張りのソファーをセットで2脚を購入。納品されてリビングに設置された際、彼はそれぞれのソファーに触れ、長い時間両手でその感触を探っていました。

どうやら一方のソファーの革の品質がもう一方と比較して差を感じるようでそれに関して不満を持っていました。納入に立ち会った業者の担当者が「気にいらないようでしたら革を張り替えますよ」ということで張替えを依頼。気に入らない方のソファーを持って帰りました。

その後1ヶ月も立たないうちに業者から作業完了の連絡があり再び納入。彼は再び張替えられたソファーの革を丹念に調べました。

「変わってない。同じ革に違いない。(業者の)上の人を呼んでくれ」

担当者の上司を家に呼びつけ、革の品質が気に入らないから張替えを依頼したが変わっておらず同じ革ではないのかという趣旨の説明をしました。

上司が担当者に問い詰めたところ、観念して革の張替えは行わず倉庫にしばらく保管した後に再塗装したとのこと。担当者はわからないと思ってごまかそうとしたようです。

これがプロのタンナーです。そのプロの目で見極めた素材がmoeの革のバッグとして使われています。